COLUMN

同じ動きでも「速い」と有酸素、「ゆっくり」だと筋トレになります

トレーニングの基本2026年8月20日伊藤 周弥

同じ動作でも、速く動かすと有酸素運動になり、ゆっくり動かすと筋トレになります。自宅でのトレーニングが効かない理由と、骨盤を固定して股関節から動かす考え方を解説します。

「回数はこなしているのに、効いている感じがしません」

自宅でトレーニングをされている方から、よくいただくご相談です。動画を見ながら、言われた通りの回数をやっている。それでも狙った場所に効かない。

この場合、多くはやり方ではなく「速さ」に原因があります。

速く動かすと、筋トレではなくなります

同じ動作でも、速く動かすか、ゆっくり動かすかで、体の中で起きていることはまったく別物になります。

速く動かすと、骨盤が一緒に動いてしまいます。骨盤が動いている状態では、狙った筋肉を固定できません。結果として、それは筋トレではなく有酸素運動になります。

有酸素運動が悪いわけではありません。体重は落ちます。ただ、有酸素運動で落とした場合は、やめると戻りやすい。これが正直なところです。

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ゆっくり動かすと、狙った場所に入ります

反対に、骨盤をぐっと押さえた状態でゆっくり動かすと、内ももやお尻の上のほうにしっかり効きます。

「疲れた感じ」は速いほうが強く出ます。息も上がりますし、汗もかきます。だから多くの方は、速いほうが効いていると感じます。

でも、疲れることと、効かせることは別です。ここを分けて考えられるようになると、自宅でのトレーニングの質が変わってきます。

ジムのマシンが「座って行う」形をしている理由

ジムに置いてあるマシンの多くは、座った状態で使う形をしています。

あれは楽をするためではありません。骨盤を固定するためです。骨盤が動かない状態を作って、狙った筋肉だけに効かせる。マシンとは、そのための道具です。

ということは、骨盤を固定できさえすれば、器具がなくても同じことができるということです。実際、自宅でマット1枚あればできます。

自宅でやるときの具体例

足上げ

  1. まっすぐ立ち、両足をぴたっと閉じます
  2. お尻を締めたまま、脚を真上に上げます
  3. 膝から上げるのではなく、股関節から持ち上げる感覚です
  4. ゆっくり元に戻します

大きく上げる必要はありません。むしろ、高く上げようとすると膝から動いてしまい、効かなくなります。少し動かすだけで、内ももに入ってきます。

「これだけでいいんですか」とよく驚かれますが、これだけで十分です。

速さより、正しさが先です

早く結果を出したい気持ちは、よく分かります。私自身、10キロ太ったところからやり直した経験があるので、焦る気持ちは理解しているつもりです。

ただ、順番としては正しく効かせられるようになるのが先です。効かせ方が分かってから回数を増やすほうが、結果的に早く進みます。

  • 速く動かす → 骨盤が動く → 有酸素運動になる → やめると戻りやすい
  • ゆっくり動かす → 骨盤が固定される → 筋トレになる → 体の使い方が身につく

今日から回数を増やすより、まず1回をゆっくりやってみてください。効いている場所が変わるはずです。

※ 体調や持病に不安がある方は、無理をせず医師にご相談ください。効果の感じ方には個人差があります。

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